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見栄えだけの指標?3倍打点達成者はMLBに何人いるのか調べてみた

こんにちわノノイルです!

突然ですが、みなさんは3倍打点という概念をご存じでしょうか?

打点に関係することはなんとなくわかるけど

3倍打点というのは

4番打者は本塁打の3倍の打点でないといけない

という概念です。

…なんで?

見栄えという理由が大きいらしいです。実際元日本ハムOBである高木豊氏も自身のYoutubeチャンネルで同様の発言をしていました。

まあ確かに40本打ってるのに100打点いってないと寂しい感じはするけど、見栄えって

しかしWARやwRC+など、セイバーメトリクスの登場により選手を正確に測ることができる指標が次々現れている現在においても、打率や打点やOPSといった、わかりやすいもののほうが残っているので、わかりやすさや見栄えなどはあながちばかにできるものではありません。

.299と.300では大きな差があるように見えるのはあるよね

ということで今回は、メジャーにおいて3倍打点を達成した打者がどれくらい存在するかを検証していきます。

測定対象者

早速数値を載せる前に、今回の記録の測定対象者を発表します。

・21世紀以降の両リーグの本塁打王の記録

あれ、4番打者を比較するんじゃないの?

3倍打点の本来の考え方では4番打者の記録を比較すべきなのですが、メジャーではNPBより野球のデータ化が進んでいるということもあり、最強打者は4番ではなく2番におくという風潮があるということ、打順の信仰が薄く打者の順番が変わることが珍しくないということからも、4番打者ではなく、ホームラン王の数値を見ていきたいと思います。

NPBでいう4番打者って基本長距離砲のことを指しているしね

ということで21世紀以降のア・リーグ、なリーグのホームラン王の数値と倍率の結果を発表していきます!

結果

年代名前本塁打打点倍率
2001(ア)Alex Rodriguez521352.60
2001(ナ)Barry Bonds731371.88
2002(ア)Alex Rodriguez571422.49
2002(ナ)Sammy Sosa491082.20
2003(ア)Alex Rodriguez471182.51
2003(ナ)Jim Thome471312.79
2004(ア)Manny Ramirez431303.02
2004(ナ)Adrian Beltre481212.52
2005(ア)Alex Rodriguez481302.71
2005(ナ)Andruw Jones511282.51
2006(ア)David Ortiz541372.54
2006(ナ)Ryan Howard581492.57
2007(ア)Alex Rodriguez541562.89
2007(ナ)Prince Fielder501192.38
2008(ア)Miguel Cabrera371273.43
2008(ナ)Ryan Howard481463.04
2009(ア)Carlos Pena391002.56
2009(ナ)Albert Pujols471352.87
2010(ア)Jose Bautista541242.30
2010(ナ)Albert Pujols421182.81
2011(ア)Jose Bautista431032.40
2011(ナ)Matt Kemp391263.23
2012(ア)Miguel Cabrera441393.16
2012(ナ)Ryan Braun411122.73
2013(ア)Chris Davis531382.60
2013(ナ)Pedro Alvarez361002.78
2014(ア)Nelson Cruz401082.70
2014(ナ)Giancarlo Stanton371052.84
2015(ア)Chris Davis471172.49
2015(ナ)Nolan Arenado421303.10
2016(ア)Mark Trumbo471082.30
2016(ナ)Nolan Arenado411333.24
2017(ア)Aaron Judge521142.19
2017(ナ)Giancarlo Stanton591322.24
2018(ア)Khris Davis481232.56
2018(ナ)Nolan Arenado381102.89
2019(ア)Jorge Soler481172.44
2019(ナ)Pete Alonso531202.26
2020(ア)Luke Voit22522.36
2020(ナ)Marcell Ozuna18563.11
2021(ア)Vladimir Guerrero481112.31
2021(ナ)Fernando Tatis42972.31
2022(ア)Aaron Judge621312.11
2022(ナ)Kyle Schwarber46942.04
2023(ア)大谷翔平44952.16
2023(ナ)Matt Olson541392.57

このような結果になりました!

歴代本塁打王のうち、3倍打点を達成した打者は8人で、これは割合にすると17.4%(8/46)となります。

うーんやっぱり、中々3倍打点って現れないんだね

そしてホームラン数別の3倍打点達成者はこのようになりました(短縮シーズンは除く)。

30本代:2/6(33.3%)

40本代:5/23(21.7%)

50本以上:0/15(0%)

50本塁打以上打った選手で3倍打点達成者は0でした

やっぱり欠陥理論じゃないか!

50本以上打った選手は13人もいるのですが、まさかの達成者0でした。わかってはいたのですが、この理論、本塁打を打てば打つほど3倍打点からは遠くなってしまう欠陥があります。

ちなみに、歴代で見ても50本塁打以上で3倍打点達成は、1930年 HackWilson選手の56本 191打点のみです!

歴代で見てただ一つだけなんだ

ちなみにこの191打点はメジャー記録で、戦前に50本塁打を打った唯一の記録でもあります!

情報量が多い

また平均すると、2142本の5501打点ですので、21世紀全体の歴代本塁打者の数値としては2.57となるのですが、ここ5年の数値を平均すると437本で1012打点で2.32となるので、ますます3倍打点打者が減ることが予想されます。

これはなんでなの?

いろいろ可能性は考えられますが、現在のメジャーでは最も優れた打者は2番に置くという風潮が高いこと、データ野球になったことで長打力に優れた打者がチャンスでより厳しい攻め方をされるor敬遠されるなどの理由が考えられます。実際2023年のメジャーでは、1920年以降では初めて2番打者が最も高いOPSを稼いだ年になりました。

これらの要因もあいまって2021年のFernando Tatis選手、22年のKyle Schwarber選手、23年の大谷選手の3選手は40本以上打っているのにも関わらず打点は2桁に収まっています。

大谷選手も44本のうち24本はソロホームランだもんね

というわけで3倍打点本塁打王は今後生まれる可能性は非常に低く、見た目以上の価値は一切ないことが証明されてしまいました…

まとめ

3倍打点って結局何だったんだろうね

そうですね。正直50本塁打以上で0というのは中々インパクトは大きかったですね。ただ、私自身成績の見栄えという考え方は結構好みで、実際美しい記録というものはあると思います。

ということで私が選んだ3倍打点打者の成績がこちらです。

2008(ナ) Ryan Howard 本塁打:48本 打点:146打点 倍率:3.04

偶数が並んでいて、ほぼ3倍打点という部分が非常に綺麗だと思いました!

146打点のインパクトは確かに大きいね

これで検証は以上となります。見栄えだけで全く論理的でない3倍打点という概念、それでも意外とロマンがあると思いませんか?

ここまで読んでいただきありがとうございました!

それでは〜